マンガクラスで連載されている「僕の心のヤバいやつ」を7巻まで読みました。
面白い漫画だったので、あらすじと感想を紹介します。
口下手な中学生の苦悩が上手く描かれた、じれったい気持ちになれるラブコメディです。
※ネタバレを含むので注意
あらすじ
正反対の2人の恋愛模様
中学2年生の主人公の市川京太郎と、ヒロインの山田杏奈の恋愛を描いたラブコメディです。
主人公の市川京太郎は、こんな人物です。
- 口下手
- 根暗
- 友達少ない
- クラスで影が薄い
- 勉強が得意
対して、ヒロインの山田杏奈はこんな人物です。
- モデルとして活躍する美人
- 明るく快活
- 友達は多い
- 常に友達に囲まれている
- 勉強は苦手
そんな正反対な2人は中学2年生で同じクラスになっても、特に接点がないまま日々を過ごしていました。
市川は山田に見下されていると一方的に被害妄想を持っており、殺してやりたいと思っていました。
ある時、市川がいつも通りに放課時間を図書室で過ごしていると、山田が図書室に現れます。
図書館に現れた山田は、学校に持ち込み禁止のおにぎりやお菓子を食べ始めたり、ゴリラのような歌を歌い始めるなど、それまでのお高く止まったイメージとはかけ離れた山田を見ることになりました。
図書室にいることで、2人は少ないながらも会話をするようになり、市川は山田のことが気になっていきます。
一方の山田も、当初は市川のことを全く意識してしていませんでしたが、会話を重ねるうちに市川に興味を持ち始めます。
だんだん一緒にいる時間が増えていく
最初は図書館で少し話すだけの仲でしたが、授業中や下校中など少しずつ図書館以外でも会話をするようになります。
会話をするなかで、山田は自分の話を真剣に聞いてくれる市川に少しずつ惹かれていきます。
また、市川も、山田の突拍子もない行動に振り回されつつも、明るく面白い山田に惹かれていきます。
個人的な評価
10点満点中10点
中学生、根暗な男子の内面をうまく描いた作品になっています。
市川の奥手な部分やうまく物事を伝えられない部分など、昔の私と共感する部分が多く、どこかむず痒いような気持ちになれる作品です。
私の感想
市川の物事を素直に受け取れない描写がいい
山田が市川の話をしている、と山田の友人から伝えられるシーンがあります。
市川は既に山田のことが好きになっているので、本来であれば好きな人が自分の話をしていることを喜ぶところです。
しかし、市川は自分の悪口を話されていると認識し、恐怖を感じてしまいます。
こんなふうに、普通だったらこう感じる、普通だったらこう反応する、という場面で、市川は少しズレた反応をしてしまいます。
そのために周りの人間に誤解を与えたり、周囲を混乱させたりすることもあります。
しかし、この描写が中学生という微妙な年齢のリアルな反応をうまく表しているように感じます。
こういう勘違いや間違いってあるよね、分かる、と共感を感じることができる内容になっています。
市川のピュアさがいい
骨折した時に山田の介助を断ったことで険悪になったことや、山田の母親に別の女友達の彼氏だと誤解をされるシーンがあります。
そのようなピンチの時に、口下手ながら自分の考えをストレートに伝えることで、切り抜けることがあります。
頭の中を言語化するのが苦手な市川が頑張って絞り出した言葉だからこそ、本心をストレートに発言することができ、結果的にピンチを切り抜けることができたのだと素直に感心できます。
このような計算のない純粋な言葉が、逆に市川のこのうえない魅力になっています。
心の声と実際の発言の差がいい
市川は心の声はとても多いのですが、実際に発言するのは他キャラに比べて少ないです。
また、心の声で考えた内容と実際の発言の内容が一致していないことも多いです。
それによって相手に誤解や勘違いをさせてしまうこともよくあります。
この辺りも、口下手でうまく考えを伝えられない部分がうまく表現されています。
好きなシーン
クリスマスイブのイルミネーション
山田と市川のクリスマスイブデートのなかで、イルミネーションを見にいく場面です。
今まで周りのことを嫌っていた市川が、純粋に世界の美しさに気づくことができたシーンになっています。
市川の視野が広くなったことを示す良い場面だと思っています。
7巻のおまけ
中2で経験が少ないのがいい
おまけページに、ホワイトデーのお返しを考えるシーンがあります。
一度はこれと決めたお返しも、後から見返して悶々としてしまいます。
山田のためを思い、山田が喜ぶものを本気で考え、迷うシーンに若さと本気度が入り混じって見えてホッコリします。
まとめ
「僕の心のヤバいやつ」の感想を紹介しました。
面白い作品なのでぜひ読んでみてください。
2022/08/31現在、既刊7巻とまだ少ないので、今ならまだ手を出しやすいです。
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